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羊毛小話


vol.3


  羊毛を触っていると心地よいのは何故だろう?
その手触りに子供から大人まで皆さん笑顔になります。

  数年前に亡くなった母もよく言っていました。
私と一緒にコースターやお座布団をつくったりしながら、私が「もう少ししっかりフェルト化したほうがいいよ」と言うと、「ふわふわがいいの、触っているだけで気持ちいいから」と。
お教室で生徒さんの作っている姿に接していると、皆さん本当に楽しそうで、羊毛に初めて触れる方は、触っているだけで満足される方も少なくありません。
子供達の反応はさらに正直で、「うわ〜、ふわふわで綿アメみたい。食べていい?」とか目をつぶって羊毛を枕にし、「なんだか動物園に来たみたいだ〜」としばし羊毛と戯れています。
天然の柔らかい素材が持つ心地良さは、ハンドメイドフェルトの一番の魅力かもしれません。

  人は右脳で五感(視覚、触覚、嗅覚、聴覚、味覚)に感じた事を脳の中心にある海馬を通して左脳に伝え、認識判断します。
最近私は臨床美術(アートセラピー)を学んでいます。作品を創作する楽しみや喜びが脳を刺激し、さらに心理的効果やコミュニケーションの改善により、脳も心も体も全体的に元気になってゆく事を知りました。物作りをしていて自らも癒されるなあと漠然と思っていましたが、医学的なデーターからも脳の活性化に芸術創作が効果のある事だとわかりました。
これからは、さらに効果的に皆さんを元気にする教え方や、カリキュラムの作成などにも気を配っていこうと思います。

  五感に多く語りかけてくれる羊毛が、一人でも多くの方に元気をもたらしてくれる事を確信し、楽しさをお届けできるよう実践して参ります。


参考文献  『臨床美術』  日本地域社会研究所より

羊さんアニメ
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